AE-9を買ってみた
SE300PCIEが故障しBabyface Pro FSを暫く音楽鑑賞用にも使い続けていたのですが、音が本当にクリアなのです。音の空間配置に対する表現力が抜群で、透明な世界の中に音がわかりやすく綺麗に配置されていく、そんな音世界を作ってくれるのです。
ただ音楽を聴いていて感じていたのは、音楽より音そのものに意識が行ってしまう、そんな感覚です。音楽を聴いているようで実は音ばかり聴いてしまっているのですね。初めはそんなに気にしてなかったのですが、そういう聴き方になると長時間音楽を聴けない事がわかりました。
所謂聴き疲れをするのですね。製作用としてはこれ以上無いほど良いのですが、リラックスして音楽を聴く、聴きながら作業をする、などには向いていないのかもしれないと思います。
またヘッドセットのマイクはエレクトレットコンデンサー端子が必要ですので、Babyface Pro FSだけではヘッドセットが使えないという事もあり、リスニング用途にサウンドカードか外付けDACを何か買うか・・・となりました。
外付けはもう持ってるしやっぱりサウンドカードにしようと思い、SE300PCIEからの乗換に向く機器を探してみました。そこでAE-9かNuAUDIO PROが候補に挙がった訳です。結局自分で聴いてみないと音はわからないのですが、検討した結果今回はAE-9を購入してみました。
箱は結構しっかりとしています。
ロゴが控え目に光っていますね。
機器をPCに取付け、ドライバは付属していないのでCreativeのサイトからDLして特にトラブルも無くあっさりとセットアップ完了。
ソフトウェア
Sound Blaster Commandというアプリがセットアップされていました。UIは変わりましたがX-Fi系の時と設定できる内容はそう変わらない感じです。
SBXプロファイルの画面です。5種類のエフェクトをon/off含めパラメータを設定して音に変化を加える事ができます。エフェクトは以下のようなものです。
サラウンド
音に広がりを加えます。音が華やかになり少し柔らかくもなるのですが、かけすぎると音に芯が無くなります。
Crystalizer
音をシャープにします。高域と低域を持ち上げてドンシャリ感が増す感じです。適度にかければ音の力強さが増すでしょう。
バス
低域を持ち上げます。
Smart Vol
Replay Gainみたいに音量を均一に調整してくれます。小さい音は触りませんが大きな音を抑え込んでくれます。突然の大音量、というのを防いでくれる感じですね。
Dialog+
音声を聞き取りやすくするような効果があります。声は前に出てきて近い帯域の他の音が後ろに下がる感じです。モジュレーションがかかったような感じにもなるのでゲームとか映画用だと思います。
色々なプリセットも初めから用意されていました。シネマとか夜間とかFPSとか、overwatchなど固有のゲームタイトルまであったりします。セッティングで色々遊べると思います。また設定はスピーカーとヘッドフォン別々に保存してくれます。
イコライザーは一見とてもシンプルです。バスとトレブルはスライドで操作できますが、実はどの帯域もドラッグで自由に動かせます。そしてもちろんプリセットも一通り揃っていますし、やはりゲーム固有タイトルのプリセットがあったりします。必要十分な感じですね。ここでも設定はスピーカーとヘッドフォン別々に保存してくれます。
再生メニュー内の歯車のアイコンからスピーカーやヘッドフォンのセッティングができます。 スピーカーなら2chや5.1chなどのスピーカーの個数と種類を選べます。種類はデスクトップ・ブックシェルフ・タワー・カスタムから選べますが、デスクトップよりブックシェルフは低域に厚みが出る、タワーは更に出るという感じです。
カスタムはクロスオーバー周波数を選べるだけなので、ウーハーとの組み合わせ用でサテライトスピーカー向けの設定ができるようです。
また歯車の左のアンテナアイコンからはスピーカーキャリプレーション設定ができます。スピーカー個々に対して距離やレベルを指定する事によって部屋空間と機器配置に合ったセッティングへと追い込む事ができます。
ヘッドフォンには機種設定がありました。型番を選ぶとそのヘッドホン用に音が結構変わります。イコライザーで補正されているように感じます。
ダイレクトモードというのがあるのですが、これはSound Blaster Commandでの音質補正を一切無効にして信号を直接デバイスに送るもので、このモードでのみ32bit/192Hzのオーディオ品質が選択できます。
レコーディングは一般的な設定が入っています。その他の入力タブでは入力I/Fごとのチャンネル数やビット数、周波数が選べます。つまりWindowsのサウンド設定と同じ項目ですね。
マイク入力もノイズ除去など補正項目がありますが、Voice Morphまであったりします。まあ本格的なものではなくおまけ程度だと思った方が良いですが、17種類もあるので自分の声を変えるだけなら必要十分な遊び項目だと思います。
SSは省きますがScout Modeは環境音をハイライトするのでFPSなどで使えるようです。Hot Keyも設定できるので切り替えも容易でしょう。
エンコーダ―からはDolby Degital LiveやDTS connectを有効にできます。ミキサーは各入出力のミュートや音量設定ですね。セッティングからはドライバの更新や自動起動の有無設定という感じです。
ユニット
色々便利な外付けユニット
ヘッドフォンアンプにもなっている外付けユニットはやはり便利です。
手元での音量調整、背面にRCAのLine in、ボリュームノブ長押しでスピーカーとヘッドフォンを切替、ヘッドフォンに合うインピーダンスへの切替スイッチ、ヘッドセット用のエレクトレットコンデンサー端子、XLR/TRSコンビネーション端子、ヘッドフォン用ステレオミニ端子とステレオ標準端子。
もう何でもござれというか、ぎゅっと詰まったコントローラーという感じですね。パネルの数字やボリュームノブの光は写真で見ると明るく見えますが、実際は目に優しい程度の明るさで良い感じです。
音の感想
では肝心要の音質について。
低域はSE300PCIEより解像度が明らかに高く、持ち上げてもぼやけたりせず、心地良い力強さを適度に表現してくれます。中域と高域は好みによるかなという感じですが、きっちりと隅々まで見通せます。SE300PCIEの方がこの域は芯と力感があり、AE-9の方が軽く柔らかく響きます。
酷なのですがBabyface Pro FSと比べると、やはり解像度も透明度も奥行も空間の大きさも少し落ちます。透明な世界から、少し白く濁った世界になった感じです。これはスピーカーとヘッドフォン、どちらにも言える事です。
でも音楽を聴いていて心地良いのです。この心地良さはSE300PCIEより上です。音が柔らかく響くので主張し過ぎず、ずっと音楽を聴いていられます。ああこれがリスニング向けの音かと今更ながら感じています。ですのでこちらで音楽を聴くようになりました。
暖色系ではないのですが、かといって寒色系という訳でもなく、独特の濁りを持った軽く柔らかめの心地良い少し個性のある音という感じです。ただBabyface Pro FSからの聴き比べだからそうなのであって、別の機器からの移行、例えばSE300PCIEより落ちる機器からの移行であれば、相当クリアで解像度も高く感じられる、価格に見合う後悔しないデバイスだと言えるでしょう。
最後に
サウンドカードはもう需要がそうあるものでもなく、PCオーディオ用途だとUSB-DACの方が選択肢に入りやすいでしょう。それでも音楽にゲームや映画、つまりPCでのエンターテイメント全般に対する音分野で考えると、サウンドカードもまだ捨てたものではないのかなと思います。
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