このスピーカーを購入したのはもう随分前なのですが、今でも私のメインスピーカーとして利用しています。Yoshii9は昔のブログでレビューしていたのですが、Dimension09購入前でしたので今更ですがレビューしてみたいと思います。
Yoshii9のOEM製品ですので中身はまあYoshii9なのですが、こちらの方が機器の足元が気に入ったのと、販売元が普及を目指して当時安く売ってましたのでこちらを購入した訳です。
Yoshii9との違い
では外観以外でYoshii9との違いは何なんだ?と思われるでしょうが、Dimension09はスピーカーの筒底に反射板が入ってまして、違いはその一点のみです。同封されていたマニュアルには、それによって更に音が良くなりました!と記載がありました。お気に召さなければ反射板は取り外す事もできますよと購入時に説明を受けたのですが、個人的にはYoshii9との音の違いがよくわからないのでそのままにしてあります。専用エンジンと言われるアンプも全く同じものですし、そのくらいの差だという事です。
今Yoshii9はIIになっていますね。興味深いのですがその出音はまだ聴けていません。きっと「らしい」音がするのでしょうね。
音について
以前のブログで書きましたが少しおさらいを。普段ライブでシタールを弾く時は、音量を稼ぐためマイクから音を拾ってPA機器を通じてスピーカーから音を出します。アンプラグドと言われる生音での演奏会でもない限りは、こうしないと来場者の方に音が聞こえ難いからですね。
ただスピーカーから聴こえてくる音は生の音とは結構違うものなのです。それはマイクなど機材の癖、何より使用するスピーカーの持つ個性が大きいです。空間を提供している建物内部の形状や素材などもありますが、それは生音そのものの聴こえ方にも影響してますから。
ですので会場で音出しをしてその場に合ったセッティングをしていくのですが・・・Yoshii9を使った時は自分の楽器の音がそのまま音量が大きくなっている感覚でした。あれは初めての経験でしたので驚きました。つまり、原音を忠実に再生してくれる、という事です。
そのようにライブでの使用経験しかなかったので、機器が納品された時、普段聴いている音楽はどういった聴こえ方をするのだろうかと、すごく音を出すのが楽しみだったのを今でも鮮明に覚えています。
前置きが長くなりました。
このスピーカーは無指向性ですので音が全方向に広がります。この音のシャワーを浴びる感覚は体験する価値があると思います。音場がとても大きく、特にフィールドレコーディングなどの環境音再生においては素晴らしい性能を持っていると思います。
無指向性は録音でも再生においても、音を優しく柔らかくします。逆に言うと力強さが無いのです。力強さを求めるならやはり指向性スピーカーが良いと思います。マイクは無指向性と指向性が結構ありますが、スピーカーは殆どが指向性ですので、この無指向性の出音は好みが分かれる可能性があります。
そしてとてもクリアです。かといってTimeDomainLightのようなヌルヌルとは違います(余談ですが音のクリアさ、だけで見ればTimeDomainLightの方が上だと思っています。あの機器の音はオンリーワンな所がありますね)。こちらはもっとリアリティを持った音がとても繊細に響きます。とにかく原音再生能力がとても高いのです。
低域
30Hzくらいもきちんと出るのですが、ズンズン響く出方ではなくとてもすっきりとした出方をします。人によってはおとなしすぎると感じるかもしれません。ですので低音の迫力にこだわる方には向かないと思います。
イコライザーで低音を持ち上げればそれなりに応えてくれて、ロックなども少し心地良くなるのですが、すっきりとした低音という性質からは脱却できていない印象です。それにあまり持ち上げすぎると破綻します。
といってもスピーカーが作るような響く低音が出ないのであって、自然界の低音、例えば雷鳴音とかはお腹に響くような迫力満点の再現力を誇ります。そしてとても生々しいのです。
中域
中域の美しさは特筆物です。この機器の最大のセールスポイントだと思っています。
私はこの帯域は非常に難しいと思っていまして、やはりここを美しく出せないと非常に安っぽい音になるのです。そして実際に美しく出せないスピーカーがエントリー価格レベルのものはどうしても多いのです。
ですのでここをあまり出さずに迫力を出す為に低域を出し、音がクリアに感じるよう高域(プレゼンス)を出す。所謂ドンシャリと言われるセッティングですが、この鳴り方をする物が多い印象です。これはロックやEDMとも相性が良いので、音源の時点でこのセッティングになっている作品もありますね。私も10代の頃はいつもイコライザーでそのセッティングをして音楽を聴いていました。
良いスピーカーは中域を美しく出してくれるのでただクリアな音というだけじゃなくなり、独特の世界を構築してくれます。それが機器の個性とも言えます。
高域
厚みを持ちつつ綺麗に鳴ります。 この域は割とどんな機種でも出てくるのですが、良い機種だと音の厚みが違います。細いとキャラがわからないのです。高域に厚みがあるとリアリティや空気感などの再現性が高くなります。
高域(=プレゼンス)はとりあえず強調すれば音がクリアになったような感覚になるのですが、耳に刺さったり聴き疲れに繋がるのでフラットのままが良いと思います。
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