ここではインドの伝統楽器を紹介していきます。
それから各楽器の音も聞ける様にしました(パチパチ)。
解説だけではわかりにくいもんね。但し入手出来なかった楽器については割合させて頂きます(逝け)。
ファイル形式はMP3です。是非再生可能な環境をご用意下さい。
下のメニューから楽器名を選択すると説明が表示されます。
暇な人興味がある人は順番に読破すべし。長いけど・・・。
ちなみに楽器名の英語表記は適当です。ヒンドゥーの発音を無理矢理英語表記しているから、こんなもの解説本や現地で見かけるCDでさえ、それぞれ表記が違ったりします。そこがインドらしいとも言えます(正当化)。
時折出てくる用語の意味が不明な方は、是非インド音楽理論ページに目を通しておいて下さい。
各楽器の解説について間違い・補正・説明追加、等の情報があればメールでお知らせ下さい。
Sitar
シタールと読みますが、普通に英語読みすれば「シター」だよね。インド人は「R」を「ル」と発音している(ように聞こえる)のでシタールという言い方が定着している様に思えます。何せ「Driver」を「ドライバール」って発音している(くどいようだがその様に聞こえる)人達ですから・・・。
話が逸れましたが、この楽器は有名だし細かい解説はいらないかな・・・いや是非やらせて頂きます。管理人が演奏する楽器だし、唯一詳しく知っている楽器ですから(^^;)。
材料は木と南瓜(かぼちゃ)の皮です。ブリッジ等も木で作られています。
シタールには主旋律を奏でる弦と共鳴弦、それに和音を奏でる(ドローンという絶対音程をとる為の音)チカリ(ティカリ)という弦があります。弦の張り方は流派(ガラナと言います)によって違います。ちなみに私の場合は主旋律2本、ティカリン4本、共鳴弦が13本です(誰も聞いてない)。
共鳴弦は各主旋律が奏でる音階通りにチューニングされています。よってラーガによってチューニングも異なります。(これはチカリにも言えます)結果、共鳴弦は何もせずとも主旋律と共に共鳴し、美しい音色が得られる訳です。ちなみに何故共鳴するのか、という詳しい音響理論は私も知りません。
主旋律を奏でる弦はいわゆるギターでいうチョーキング(これをミーンドとかミルとか言います)によって、音程が4音もしくは5音まで上昇出来るようになっています。この自由度の高い音階表現がより演奏表現力を豊かにします。(これがないとインド音楽という感じがしません)
弦を指で引っ張る訳ですから当然初めは痛いですが、人間の体は凄い物で、頑張っていれば指の皮が段々厚くなり痛みも伴わなくなります。しかし継続しないとまた元通りです(ギクリ)。
弦はドイツ製・インド製等があります。でも選べる環境なら迷わずドイツ製を購入するようにしましょう。Pylamid German Stringsというメーカーです。あと偶に見かけるチビシタールは子供用です。可愛いので飾りとしても良いでしょう。
シタールプレーヤーと言えば「Ravi shankar」が有名ですが、後は、故「Nikhil Banerjee」や最近お亡くなりになられた「Vilayat Khan」その甥の「Shahid Parvez」(現在の旬はこの人でしょう)。カルカッタでは「Budhaditiya Mukerjee」、日本人の弟子も多く持つ「Manilal Nag」。若手の「Niladri Kumar」パキスタン在住の「Rais Khan」、ついでに私の師匠の「Debashish Sanyal」も紹介しときましょ。ある意味挙げればキリがありません。
sitarの事を詳しく知りたい方は別メニューのシタール究極豆知識のページをご覧下さい。ちなみにSitarの音はこんな感じです。
Vocal
ボーカルです。要は人が歌い上げます。弦楽器では無いですが、他に適当なカテゴリが無いので含めました。(^^;
ボーカルは全てのインド古典音楽の基本です。誤解を恐れずに言えば、他の楽器はこのボーカルで行うことを楽器で行っているだけです。だからインドの楽器をやる人はボーカルもしっかり勉強しておいた方が良いと思います。
古典音楽においては最も華やかだと思います。実際喜怒哀楽を交えながら歌い上げるボーカリストのコンサートを見ると、素晴らしいの一言です。だからと言って歌が下手な私は歌えませんが。
男性と女性とではまた違った趣があります。インドの音階SaReGaMaPaDhaNiSaは絶対音階ではありませんから、皆自分の発声しやすいキーをとります。だから男性と女性では、もっと言うとボーカリスト毎に同じラーガでも違った印象があるんですね。コードAからのドレミファソラシドと、コードEからドレミファソラシドのフレーズでは違う感じ、と言えばご理解頂けますか??
実際はただ声を出して歌うだけではなく、声を投げたり、引き戻したり、津波を出したり、上昇気流に乗せたり、と様々です(意味不明)。
有名なボーカリストはたくさんいます。「Jasraj」や「Rashid Khan」「Kishori Amonkar」「Prabha Atre」「Ajoy Chakraborty」「Kaushiki Chakravorty」等、挙げればキリがありません。
ボーカルはこんな感じです。
Santoor
サントゥールと読みます。実は私が一番好きな楽器です。何故サントゥールをしなかったのだろうか。
ピアノの内部の様に、弦が音階毎に張ってあり、チューニングが一番大変な楽器でもあります。100弦程のチューニングをするのは非常に根気の要る作業だと思います。
もともとはインド古典音楽には使われてませんでしたが、(カシミール地方の民謡楽器だった)Pt.Shivkumar Sharmaによって見事にインド古典音楽に融合され、今では立派にラインナップに名を連ねています。木で作られた箱上に弦が張ってあります。木箱が音を程よく反響させます。
低音弦は1本ですが、基本的に1音階に3本の弦が張ってあり、それが共鳴弦の役割を果たします。とにかく繊細かつ美しい音色を奏で、それがどんなに胡散臭いおっちゃんが演奏しても聞くだけならわかりません。
演奏は2本の彫刻された木のバチで弦を叩くようにします。撫でるようにもします。片手でミュートしたりもします。両手での演奏ですが、交互に弦を叩く訳では無く左右に役割があるようです。その辺はセネガルの打楽器であるジャンベに似ています?ね。
どのインド楽器も正しい演奏体位はずばりヨガだと思うのですが、(そして演奏=瞑想)サントゥールの体位は一見江戸時代の拷問のようにも思えます。
サントゥールの第1人者は「Shiv Kumar Sharma」です。私も大好きなプレーヤーです。息子さんもいてスタイルを継承しています。後は「Deviさん」「Tarn Battahcharya」かな??
サントゥールの音はこんな感じです。
Guitar
誰がどう読んでもギターなんでしょうが、インドではギタールと言います。(笑)
実際の演奏はスライドギダー形式です。抱えて演奏するのではなく、膝元に置いて少し斜めにして演奏します。弦の張り方も西洋ギターとは全く違います。どちらかというとシタールに近いです。
やはりチカリもあり、共鳴弦ありで、弦数が多くチューニングが非常にめんど(略)。
あまりインド古典音楽に慣れ親しんでいない人だと、音だけ聞くとシタールとギタールを聞き分けるのは難しいかもしれません。それぐらいパッと聞くと似ていると思います。ギタールの方が音的には明るいですので、聞き慣れれば一発でわかります。
ギター自体はポピュラーな楽器なので、イメージも湧きやすいでしょう。当然ですがエレキではありません。ただ従来のギタースタイルのギタリストももちろん居てます(古典音楽ではありませんが)。
すいません。あとは特に書くことも無いです。あ、そうそう、ギタールのプレーヤーとしてはやはり「Vishwamohan Bhatt」が有名です。あと「Debashish Battahcharya」とか。
ギタールの音はこんな感じです。
Violin
いわゆるヴァイオリンです。ヴァイオリンまでインド古典音楽を奏でます。
この楽器自体を知らない人はいないと思います。特に特筆事項もありません(だんだん手抜き)。
第1人者は誰を挙げれば良いんだろうか・・・。
ヴァイオリンの音を知らない人はいないだろうと思いますが、一応こんな感じね。
Sarangee
サーランギーと読みます。何か英語表記だと無理矢理に感じますね。
手抜き前述のバイオリンと弾き方のスタイルは大体同じです。大きな違いは持ち方が逆と言う事です。バイオリンはヘッドを下にしますが、サーランギーはヘッドが上に来ます。演奏は弓で奏でますがこちらには共鳴弦もあります。大きさはバイオリンより2回りぐらい大きいです。材料はやはり木です。
主旋律を奏でる弦は3本あります。私がVaranasiに居た時にはサーランギーを習っている女の子が1人居ました。弦を見せてもらいましたが何の素材かは忘れました。
音色は人の声っぽいです。この音色が好きな人は多いと思います。私も大好きです。後述の打楽器「タブラ」のソロ演奏のバックとしてもよく使われますし、融通の利く楽器でしょう。
ネパールにも独自のサーランギーがあり、ネパリサーランギーと言います(そのまんま)。ネパールでは至る所で売りに来ます。小さくて可愛いのですが、演奏は簡単ではありません。
サーランギーの第1人者と言えば「Sultan Khan」でしょうね。
サーランギーの音はこんな感じです。
Sarod
これはサロードと言います。演奏体位を見ると一般的なギターやベースギターと同じです。中央アジアのラバーブという楽器によく似ています。ラバーブに関しては私は写真しか見た事が無いですが確かによく似ています(無責任)。
何で作られているのかは後述しますが、見かけの大きさよりかは重たそうなボディです。ボディーが丸いギター、という感じでしょうか。但しフレットはありません。基本的にインド古典音楽を奏でる楽器は西洋音楽のようにはっきりと音階を分けていない様です。
主旋律弦とやはり共鳴弦があり、ティカリンを弾きながら主旋律を奏でていく、という意味ではシタールやギタールと同じです。音も似ています。ギタールの項にも書きましたが、鳴れないと音だけ聞けばシタールに聞こえるかもしれません。(しつこいようですが慣れれば一発で聞き分けられます)。弦を爪で押さえて弾くので、サロード演奏家の指を見ると凄い事になっています。
主旋律弦の数は6本、ドローン弦(ティカリンね)が2本、共鳴弦が?本(知らん)です。(^^;)羊の皮を被った木のボディーと鉄板の張られた木のネックで出来ています。本当かな?
シタールとの違いは弾き方、スタイルはもちろんですが、音が暖かいです。豊かな低音とその倍音がそうしているんでしょうが、逆に言えばサロードとギタールの中間がシタール、とも言えますね(かと言ってギタールがキンキンしてる、という訳ではないんですが)。
ピックで弾くという事もあり、一般的なギターやベースを演奏している方には最も取っ付き易い楽器と言えるでしょう。
サロードプレーヤーとしては「Ali Akbar Khan」や「Amjad Ali Khan」が有名です。一見(一聴)地味ですが、通好みな楽器だと思いますよ。
サロードの音はこんな感じです。
Veena
ヴィーナーと読みますが、ヴィーナーと一言で言っても実際には色んなヴィーナーがあります。
シタールの原型の様な形をしたフレットも付いている「サラスバティ・ヴィーナー」とか、調音された弦を指で引く、大きさは小さめの「ヴィチットラ・ヴィーナー」。後述するタンピューラーの様ですが、南瓜が2つ3つ付いています。
西インドで見られる「ラーヴァナハスタ・ヴィーナー」はサーランギーの様に弓で奏でます。更に吹奏楽器になりますが「ムカ・ヴィーナー」なんてのもあるようです。ムカ・ヴィーナーに関しては定義が曖昧で、2本1体型の縦笛とか、ブールジャの葉を巻き付けた竹筒とか言われている様ですがこんなマニアックな事覚える必要はありません(じゃあ書くな)。
私はヴィーナーと聞けばサラスバティ・ヴィーナーを思い浮かべますが、それが一般的だと思います。名が示す通りサラスバティ神も演奏しています。
ボーカリストが奏でながら歌ったりもしますが、北インドではそれ程ポピュラーでは無く、南インドの方がよく使われる様です。
ヴィーナーに関してはサンプル音の用意が出来ませんでした・・・。m(_ _)m
Surbahar
スルバハールと言います。シタールを2回り程大きくした楽器です。という事は相当大きいです。しかも非常に重いです。
以前友人が購入していました。気軽に買える値段ではないですし、また日本に持ち帰るのも大変です。何を考えているんだ凄い人だなと思いましたが、成る程実際にに弾いてみればハマりますよ、この楽器は。
造りはシタールです。巨大ですが。音的には低音シタールです。シタールプレイヤーがアラープを演奏する時に使用する事が多いです。かっこいいですよ。
兎に角演奏には力が要ります。シタールも結構力は要りますが(コツを掴めばそうでもない)スルバハールはコツを掴んでも力が要りました。指の皮も相当鍛えないとキツいです。
でもこの楽器を引き慣れれば、シタールを弾く時には非常にチャチく容易に感じます。物足りないと思うかもしれません。私はそう感じました。実際インドでは、シタール演奏家はまずスルバハールで技術を磨くのが良しとされています。
余談ですが、インド楽器の外観は結構彫刻が凝っていてそれぞれ楽しいのですが、スルバハールの彫刻はダントツでかっこいいです。
ケースに入れると30Kg前後にもなるので、購入して持ち帰る人は気合を入れて下さい。私もいつかは、と考えています。誰か買ってきて。
スルバハールの音はこんな感じです。
Shanai
シャナイです。発音としてはシャーナイーの伸ばす部分を短めに、という感じです。インドの発音は結構これが多いです。
インド古典音楽に使われる吹奏楽器ですが、民謡にも使われますしパレードにも使われます。インドを旅行しているとよく結婚式のパレードで見かけるのですが、シャナイの音は遠くからよく響きます。結婚式を見たい人はシャナイの音色が聞こえたらそちらに行ってみましょう。運が悪ければ良ければ巻き込まれてダンス、もみくちゃ、酒ぶっかけられ、シラフではまず無理な状態になります。
良いシャナイの音色はもう最高です。安物は耳障りですが。甲高い音色ですが、どこか哀愁があります。
一般には中東から入って来た楽器という認識があります。形態は縦笛が口先から先端にかけて凄く太くなった様な感じですが(ラッパとまではいかない)、これ何で出来ているんでしょうね。木ではないと思いますが。・・・。
シャナイの第1人者と言えば「Vismillah Khan」でしょう。
シャナイの音はこんな感じです。
Bansree
バーンスリーです。ずばり竹の横笛です。持ち運び、持ち帰りとも一番容易でしょう。しかしやはり奥は深いです。
大きい物から小さい物まであります。当然ですが小さい程出る音域は高いです。インド古典音楽では本編を大きなバーンスリーで奏で、デューンというつまりフォークソングを続いて演奏する時に小さなバーンスリーで奏でるスタイルをよく見ました。
やわらかい音色を聞くとインドの情景を思い浮かべます。クリシュナ神も演奏しています。有名な「笛屋歓喜店」の管理者であるTaroさんが演奏されてますので、詳しい事はそちらで(あぁ逃避)。
演奏家といえばまず「Hali Prasad Chourasia」でしょうね。
バーンスリーの音です。
Others(他の吹奏楽器)
その他にもインドには色んなフルートがあります。簡単に説明致します。フルートの原材料は一般には木ですが、その他にも骨、土、金属なども使われる様です。まさに多種多様です。
「ナーガスヴァラム」はコンサートにもよく使われています。私は見た事はありませんが。
犠牲祭で使われる「トゥーナヴァ」「ナーディ」、リコーダーの様な「フラジオレット」、蛇使いが吹く双管の「アルゴーザー」、これはイメージしやすいでしょう。砂漠の民が奏でる「ブーンギー」(タツノオトシゴを連想するのは私だけかな)「シャンク」(ほら貝みたいなやつね)等など。
ヴィーナーの項でも触れましたが、やはりこんなマニアックな事を覚える必要はありませんので。
Tabla
これは有名ですね。タブラです。インド古典音楽のみならず、インド映画音楽、民謡、はてはワールドミュージック、フュージョン、CHARAにまで使われている打楽器です。
タブラは2つの打楽器から構成され、低音を出すバヤンと比較的高温を出す(狭い定義で)タブラから成り立ちます。左右両手の組み合わせでもそうですが色々な音色のバリエーションを持ち、またリズムパターンも無限とも言える程豊富です。リズムと音色については「インド音楽理論 リズム編」で詳しく解説しています。まだご覧になっていない方は是非目を通して下さい。
バヤンは「左の」という意味です。そのまんまです。金属で作られた胴に皮が張られています。たまに素焼きで作られた物も見かけますが、すぐ割れそうなのでコレクター以外にはお勧めしません。買ってる人いましたけど。
狭い意味のタブラは木の筒に皮が張られています。チューニングも必要です。合わせる楽器のSaの音階にチューンします。よく演奏中にカナズチでコンコン叩くのを見かけますが、あれは叩いているとチューニングが微妙に狂ってくるので再度チューニングをしているのです。
皮は結構裂けます。特に湿気がダメで、日本では特に注意が必要でしょう。インドでも雨季にはよく皮が裂けていました。練習前のチューニングで皮が裂けると非常に重たい空気が流れます。
ツーリストにも人気楽器で気楽に習い始める人も多いですが、そんなに簡単なものではありません。腰を据えて取り組まないと時間の無駄になる可能性が高いです。しかし上手になれば文句無しにかっこいいと思います。始める人は是非頑張って下さい。
タブラにも流派があります。バージと言いますが、ガラナという言い方が今は一般的でしょう。まあどちらでも通じると思います。Zakir Hussainは若い時にインド本土を旅してそれぞれの流派を体得したそうです。私達にはそんな時間は無いので、何か1つ的を絞って体得した方が良いでしょう。
私が滞在していたヴァラナスィにはヴァラナスィのガラナがありました。バヤンが力強く、男臭いとの印象があります。ヴァラナスィ流は体得するのに凄く時間が必要らしいですのでやめた方がいいです。
デリー派が元々全てのルーツと言われています。他にもパンジャーブ、ラクナウ、アジュラーダー、ファルカ-バード、等あります。タブラを始める人はこの辺りを事前に調査しておき、自分の好みを確定させておけば尚良し、でしょうね。訪れる街も変わるでしょうし。好きなプレーヤーから入る、というのも手ですが、Zakir Hussainの様な超一流は何でも出来るらしいです。
古典音楽においてはリズムパートなのでまず登場します。歌の時は伴奏に徹している時が殆どです。個人的に好きなのは踊りとやる時です。踊りとタブラのコンサートは必見だと思います。私はカタックダンスとのコンビネーションをたくさん見ましたが、踊っているのがきれいなお姉ちゃんの時は見ごたえ十分でした。
タブラはソロもやります。古典音楽においてはメロディ楽器のソロとタブラソロは必ずありますが、メロディ側がずっと伴奏に徹するタブラソロは、最もプレイヤーが輝く時でしょう。伴奏側はラーガの1フレーズを延々と繰り返すだけですが、(私も経験はありますが)演奏していても退屈しません。それぐらいタブラソロはかっこいいのです。
これ程浸透している楽器なのに、その由来、歴史は誰も知りません。逸話はあるようです。
タブラの名手は星の数程います。既に亡くなっている方も含めて、本当に一握りですが流派毎に書いてみました。
デリー派では「Raju Khan」「Bashir Ahmed Khan」「Shafaat Ahmed Khan」他多数。
パンジャーブ派では「Alla Rakha」と息子であり父を超えていると言っても過言では無い「Zakir Hussain」、「Yogesh Samsi」他多数。
ラクナウ派だと「Anil Kumar Battacharya」「Biru Mishra」一部ではZakir Hussainより評価が高い「Swapan Choudary」他多数。
ファルカバード派だと「Kanai Datta」「Shankar Ghosh」「Anindo Chatterjee」「Abjhit Benerjee」「Nayan Ghosh」「Bikram Ghosh」他多数。
アジュラーダー派は少数派で、「Manju Khan」「Akram Khan」等。
ヴァラナシ派だと「Kanthe Maharaj」「Kishen Maharaj」「Kumar Bose」「Lacchu Maharaj」「Sharda Sahay」他多数。
挙げればキリがありません。
タブラの音です。
Dorak
ドーラクと言います。筒型の両面太鼓です。形態は違えどタブラと叩き方は似ていて、抱えて左側でバヤン、右側でタブラを叩くように演奏します。通常は民謡で演奏しますが、たまに古典音楽に参加している様です。似たような太鼓に「コール」「プング」といったものもあります。
何度か見たのですが、タブラとドーラクのコンサートはうるさい圧倒的な迫力がありました。
両面太鼓は地方によって色々あり、「バカーワジ」というものもあります。こちらの方が有名かもしれませんが、現在はタブラに取って変わられている印象がありますね。
カルナータカ音楽の主要打楽器でもある「ムリダンガム」なんてのもあります。両面太鼓を見て種類を見分けられる様になれば相当なマニアです。
日本の鼓の様な「ダガルー」なんてのもあります。バチで叩く「ナガラ」や大きな「ダフ」、いわゆる小太鼓的な「チェンダ」、かなり大きく首からぶら下げて固定する「「ダーシャ」等色々ありますね。
ユニークかつカッコいいのは南インドの「ガタム」です。土で作られた壺を叩くだけなんです。がタブラのバヤンのように音程変化もあります。要はリズムが出来れば何でもいいのですが、(鍋でも鈴でも棒切れでも上司の頭でも何でも良いのだ)ガタムだけはきちんとした土製の壺の事を言う様です。彫刻もされて立派な楽器のラインナップです。他にも茶碗に水を入れた「ジャルタラング」何てのもあります。水の量と茶碗の大きさで出す音を変えます。主に南インドでの打楽器(?)です。
ドーラクというより、その他の打楽器紹介的な項になりましたが、はじめからそのつもりでしたので。
音源はありません。(キッパリ)
Tanpura
タンプーラです。Tanbouraという表記もよく見たのですが、何故タンプーラをこう記すのかが分かりません。だって持ってるCDはこの表記も多いんだもん。形はシタールを1回り大きくした物から、シタールの半分くらいの物まであります。
弦は4本または5本張ってあり、フレットはありません。調音された弦を指で撫でるように弾くだけなので誰でも出来ますが、音は何とも言えない良い感じです。古典音楽等の伴奏としてドローンの役目を持ちます。
弾いている姿がとても優雅なので是非きれいなお姉ちゃんに(以下略)。あっち系の人は少年にでも(黙れ)。チューニングはラーガによって変わります。
タンプーラの音はこれ。
Swaramandar
スワラマンダルです。見かけはサントゥールの様なボディに調音された弦が張ってあります。主にボーカリストが使います。弾きながら歌う訳ですね。
タンプーラ同様にドローンの役目を果たしますが、こちらは音色がいわゆる「ハープ」みたいです。非常に美しい音色を奏でます。指で撫でる様に演奏する所もハープに似ていますね。余談ですが、デリーの楽器屋「Rikhi ram's music」では上記タンプーラとこのスワラマンダルを融合させたものを売ってました。楽器も進歩していくものですね。
やはりチューニングはラーガによって変わります。
スワラマンダルの音はこんな感じです。
最後に
インドの楽器について何となくご理解頂けたでしょうか。非常に多種多様でずが、魅力的な楽器も多いです。
初めから最後まで読破された方はお疲れ様でした。お茶でも飲んでから違うページも是非ご覧下さい。
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